漆黒球 ||音速天国
2008年3月6日海面を見送っていた。
太陽光を散乱し独特の光を放っていた。
あの空間にタバコで穴をあけるような神妙な光である。
暗かった。
深海は幻覚に似ていた。
ごく稀に擦れ違う何かは、強烈なインパクトと共に
数秒後には逆方向へ消えていく。
そしてそれが現実だったのか、
それともそろそろ何かと擦れ違うだろうと思った
自分の心が用意した幻覚なのか、
あまりにも長い何も無さ過ぎる時間がその判別を困難にしていた。
それは深海の住人の日常だった。
概観水深2700m。
結果からいえばあと500m足らずで海底に到達するのだが、
その時には今まで潜ってきたより遥かに遠いような気がしていた。
そして背を向けながらそこへ落ちていくと、
何とも充足した今にぴったり欲しかった満足が得られた。
海底は柔らかかった。
太陽光を散乱し独特の光を放っていた。
あの空間にタバコで穴をあけるような神妙な光である。
暗かった。
深海は幻覚に似ていた。
ごく稀に擦れ違う何かは、強烈なインパクトと共に
数秒後には逆方向へ消えていく。
そしてそれが現実だったのか、
それともそろそろ何かと擦れ違うだろうと思った
自分の心が用意した幻覚なのか、
あまりにも長い何も無さ過ぎる時間がその判別を困難にしていた。
それは深海の住人の日常だった。
概観水深2700m。
結果からいえばあと500m足らずで海底に到達するのだが、
その時には今まで潜ってきたより遥かに遠いような気がしていた。
そして背を向けながらそこへ落ちていくと、
何とも充足した今にぴったり欲しかった満足が得られた。
海底は柔らかかった。
コメント