ヤギの乳

2007年10月25日
最低勝率58%をマーク!
8%差で・・・

人類の勝ちぢゃー!

「これは・・・

「平和な国ですね。
 民も質素な身なりながら
 血色もいい。

「あれはこの大陸全土を治める
 国王だ。

「は?
 そんなわけはないでしょう。
 王が民と変わらぬ姿で、
 あのように一人で・・・

「国王は偉大なる救世主。
 民を守り、富を行き届かせ、
 彼なしに世界の調和は維持できない。
 大陸に住む誰も彼を害せず、
 誰もが王を守る兵となる。

「それは王が神に仕える神官でも
 あるからですか・・・?

「違う。民が王を望んでいるのだ。
 民はあの男に王となることを嘆願し、
 王はそれに応えている。

「愚民が権力を求めて競い、
 国政が無能の巣窟となり、
 凡人が王に就くのが人間の性などと、
 とんだ勘違いだ。

「人間は10万年以上もの永きに渡り、
 このような王と民との関係を続けてきたのだ。
 12000年前、ある一人の王が
 自らを魔術師と名乗り始めるまで・・・!

*
*
*

男は人間の持てる、
全ての力を用いて世界に挑んだ。
全人類を呪具とし、呪いと祝福を施した。
奴が扱った最初で最後、唯一で最大、始まりの魔術は
それ以外になく、それだけで全てが足りた。
十何千年もかけて力の粒子はうねり、
集結し、練り上げられ、加速し、絶頂を目指す!
あらゆる経過魔力は残さず統合され、
内なる活力を全て絞り上げ、究極に単純の魔力
そうだこれだ。まるで太陽表面ほどに
複雑激しく絡まりあったこの地上の欲、欲、欲、
ここまで来るのは永かった!これが欲しかったのだ!
これぞ幾年をかけて練り上げられた人類の生命の結晶。
安らかに過ごせた筈の無限の人命を、
恨みと憎しみ、渇望と苦悩に叩き落して搾り出した、
極上の魔力!はっはっはっはっは!
はっはっはっはっはっは!
神め、殺してやる。

「魔王は転生する。
 永い時の流れとは異なる状況に置かれた人間たちは、
 その取り巻く魔力に心を波立たされる。
 その波紋がそのまま、
 始まりの魔術の形を成しているのだ。

「波の谷は復元しようとする力、善と呼ばれ、
 波の山を適応しようとする力、悪と呼ぶ。
 その時が近づけば魔力の密度は増し、
 波紋が始まりの魔術を復元する。
 あらゆる人間の内に魔王の種子があり、
 その兆しは既にあらわれ始めている。
 そして波を重ね合わせるように、
 神殺しの魔力の合流地点に座す人間の心の中に、
 魔王は再び復元される。忽然と。
 まるでそれが元からそうであったように。
 それこそが恐るべき真なる正魔術なのだ。

おもろいな〜魔術は。
なにちょっと魔王の魔力を横取りするのも面白い。
後生まれの力も舐めてもらっちゃ困るのだよ。

・・・ん?

厄介だな。
なまじ強魔力の時代に生まれたせいで、
錬魔の流れが身に染み付いちゃってる。
ある情熱的現象に対して感受し、
更に情熱的現象を誘発することで競合強度を高めるわけか。
その競合結果自体すら情熱的感受を生産する。
完璧じゃねえか。
物理的に代謝分子が欠乏するまで止まらんぞこりゃ。
どうする気なんだ魔王さんは。

ホモサピエンスの完成から現在にかけて、
文明の発展速度で逆算すると何か不自然なんだよな。
文明?あるいは魔王魔術が、
かなり後年代になって突発発生したとしか思えん。
しかし非常に残念だが、客観的な予想として、
まだぜんぜん人類文明は初期も初期だな。
前段階でしかない。
核融合で地球水素使い尽くしたあたりから
たぶん後半突入って感じか。
昔ざっぱに計算したけど、
指数関数的に消費電気量増えてっても、
数億年かかったような気がするしなぁ。
資源的に困窮しなけりゃ発展は停滞するだろうし、
あー永え。

そういえば時間次元の興味深い仮説を思いつきました。
未来と過去を同一次元軸に置きません。
本質的に未来と過去は別の次元という考えを整理しました。
これによりタイムパラドックスは回避できるのです。
生きてる内に電子一個ぐらい過去に送ってやるぜぇ〜

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