パラメータ間の関係において、
パラメータ同士の交換率を決定するパラメータが
特別に重要なのは経験的に知っているものの、
その均衡点はどこやというお話。
()は単位。

総仕事量  T(1)
…仕事の総量。単位なし。

初期効率  1(1/時間)
…普通に仕事をした時の仕事の消化速度。

効率化率  r(1/時間^2)
…効率化によって初期効率に加算される
時間あたりの増加効率量。

所要時間  H(時間)
…仕事が終了するまでにかかる時間。

効率化時間 t(時間)
…効率化にかける時間。
原則的にまず最初に全ての効率化を行うとする。

まず所要時間。

H = {T/(1+rt)}+t

所要時間が最適化される均衡点において
dH(t)/dt=0 だから、

x(t)=1+rt とすると、H(x)=(T/x)+{(x-1)/r} 。
合成関数として微分して、

dH(t)/dt = 0
{dH(x)/dx}{dx(t)/dt} = 0
{(-T/x^2)+(1/r)}r = 0
(-Tr/x^2)+1 = 0
x = +-(Tr)^(1/2)
1+rt = +-(Tr)^(1/2)
t = {-1+-(Tr)^(1/2)}/r

t>=0 なので、
所要時間が最も短くなる均衡点におけるtは、

t = {-1+(Tr)^(1/2)}/r

効率の上昇が一次関数であることは稀だが、簡単のために。
その場合、所要時間の(1+rt)をtの効率関数と考え、
0次以上、1次以下の関数で近似するとよい。たぶん。

【例題】

ある少女が林檎をカゴに入れて運んでいる。
カゴには林檎が一度に10個まで入り、
取って帰ってくるのに2時間かかる。
林檎は全部で500個ある。

ここでh時間かけると
カゴを林檎が20個入るように改造できる時、
改造しない時より仕事が早く終了する
hの限度を求めよ。

さらに、
t時間でカゴに入る最大個数をt個だけ増やせる時、
最も早く仕事を終了する事ができるtを求めよ。

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(解答)

まず総仕事量Tは、

T = 500/(10/2) = 100

効率化しない場合、T=H だからhの限度は、

100/(1+1)+h = 100
h = 50 (時間)

よって、改造した方が早く終わるhの限度は50時間。
なお、効率化率rを効率を1として
換算していることに注意する。

次に均衡点tについて、

t時間で入る林檎がt個増えるのだから効率化率rは、

r = (1/1)/(10/2) = 0.2

よって公式よりtは、

t = {-1+(100*0.2)^(1/2)}/0.2
(ルート20=4.5として)
t = 3.5/0.2
t = 17.5 (時間)

また、その所要時間Hは、

H = {100/(1+0.2*17.5)}+17.5
H = 22.2+17.5
H = 39.7 (時間)

よって、最も仕事が早く終わるのは
t=17.5 時間を効率化に努めた時で、
その場合の所要時間はH=39.7 時間となる。
あってる?

ちなみに逆算すると少女は
林檎を22.5個ずつ運んで仕事を終えた事に。
.5・・・

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